なぜシャンシャンを中国に返還するの?パンダのレンタル料の理由は?

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上野動物園(東京都台東区)にいるパンダのシャンシャンは2020年末に中国へ返されます。

本来は2019年6月に返還することになっていましたが、協議により1年半延長していました。

なぜシャンシャンを中国に返還しなければいけないのでしょうか。

パンダは中国からレンタル(貸し出し)されていますが、レンタル料金はいくらでしょうか。

そしてレンタルしなければいけない理由はなんでしょうか。

今回は、パンダ(シャンシャン)を中国に返還する理由とレンタル料金、レンタルする理由などを紹介したいと思います。

なぜシャンシャンを中国に返還するの?

引用元:http://tiny.cc/dzyt8y

なぜシャンシャンを中国に返すの?

東京都と中国が「子供は生後2年で中国に返還する」という協定を結んでいるからです。

なぜそういう協定を結んでいるかというと、パンダは世界の絶滅危惧種リスト、いわゆるレッドリストに分類されている動物だからです。

パンダは正式には「ジャイアントパンダ」というのですが、ジャイアントパンダはレッドリストに入っているので、ワシントン条約により売買はもちろん譲渡することもできません。

ワシントン条約とは、ざっくりいうと絶滅しそうな動物や植物を協力して保護していこうねという国同士の約束事です。

ではなぜワシントン条約で売買も譲渡もできないパンダが日本にいるのかというと、レンタルという方法(抜け道?)を見つけたからでした。

それも「パンダの共同研究費及び生息地保護のための資金」という理由でレンタルしているので誰もケチのつけようがありません。

中国「うちのパンダは日本に売りもあげもしないアル、ちょっと貸すだけね」

ワシントン条約「ぐぬぬ・・・」

中国「ということで日本さん、パンダ貸すアルよ」

日本「中国さんありがとう! わ~、パンダかわいい!」

中国「はい、2頭で1億円アルね」

日本「!!」

なぜパンダの返還期限は2年?

パンダは生後2年で繁殖が可能になるからです。

パンダは2歳ともなればもう立派な大人なんだそうです。

パンダはレッドリストに載るレベルの希少動物なので、繁殖が可能になったら「種の保存」に貢献する役目を期待されるのです。

どこかの大臣がいうと叩かれてしまいますが、パンダの世界では「産めよ増やせよ」が奨励されているようです。

親パンダも自分の生活圏に乳を飲む子供パンダがいつまでもいると発情期がこないそうです。

なので子育て期間が終わったら親パンダと子供パンダを引き離す必要があります。

それと近親交配を避けるという理由もあります。

いくら見た目がかわいいパンダでもしょせんは動物なので、ずっと一緒にいるとお母さんやお父さんが相手でも平気で「大人の階段」を登ってしまうのです。

ということで、主にその二つの理由でパンダの返還期限を2年と決めているそうです。

なぜ日本で生まれたパンダも返すの?

これも東京都と中国の間で「日本で生まれたパンダも返す」という協定を結んでいるからです。

日本にいるパンダは中国に所有権があり、ずっと中国籍です。

これは中国のいつもの横暴ではなく、ワシントン条約との関係で中国籍にしておかないと日本へ貸し出すことができなくなるからです。

ということで日本で生まれたパンダといえども中国籍なので、いつかは返さないといけません。

そしてその「いつか」は、繰り返しになりますがパンダが繁殖可能になる生後2年を目安にしています。

パンダの発情期は1年に1度で、しかも大抵1頭しか生まないので、ほかの動物に比べて繁殖力が強くありません。

だから繁殖可能になった健康なパンダを1頭でも多く中国に戻して、レッドリストから削除されるように努力しているのではないでしょうか。

ちなみにパンダの平均寿命は20年ということですが、意外に長いなと思いました。

パンダのレンタル料金を払う理由は?

引用元:http://tiny.cc/y0yt8y

パンダのレンタル料金はいくら?

パンダ1頭のレンタル料は1年間で約5000万円です。

上野動物園にはリーリーとシンシンの2頭がいるので、東京都はパンダのレンタル料を1年間に約1億円(95万ドル)払っています。

リーリーとシンシンの間にうまれたシャンシャンにはレンタル料がかかりませんが、生後2年で中国に返すという約束(返還協定)があります。

昔は「パンダ外交」とかいってたよね?

1972年、日本と中国の間で国交が正常化された記念に贈呈されたのが2頭のパンダでした。

カンカンとランランが初めて日本にやってきたパンダです。

日本人が初めて見たパンダはぬいぐるみのように愛くるしい動物でした。

「こんなにかわいい動物を贈ってくれてありがとう!」

日本での「パンダ外交」は大成功だったようです。

実は中国は昔から「パンダ外交」を積極的に行なっていました。

1941年に中国はアメリカにパンダを贈っています。

日中戦争で日本とガタガタしているとき、アメリカのご機嫌を取って味方についてもらおうとしたのでしょう。

その後も中国は20頭以上も外国にパンダを贈呈しています。

そしてその「パンダ外交」はけっこう効果があったようで、パンダをもらった国は中国に対して良いイメージを持つようになったといいます。

「パンダ外交」がうまくいったのは日本だけではなかったようですね。

パンダのレンタル料金を払う理由は?

料金を払ってレンタルしないとパンダが日本に来れないからです。

中国が1981年にワシントン条約に加盟したことで状況が変わりました。

1981年以前はパンダを外国に売ったりあげたりできていましたが、ワシントン条約に加盟したのでもうそういうことはできません。

そこで考え出されたのがレンタルでした。

「パンダ外交」の名前が示すように、最初中国は政治の手段としてパンダを利用していましたが、いざレンタルを始めたらけっこうおいしいビジネスだと気づきました。

パンダは中国にしかいない動物なので、いわゆる独占状態です。

1頭1年間で5000万円というぼったくり料金でも大喜びで借りてくれる国もあるので、積極的にレンタルパンダを行なうようになったというわけです。

レンタルパンダをしている国はどこ?

まずは日本で、現在10頭のパンダが日本各地の動物園にいます(2019年6月時点)。

日本以外でもたくさんの国がレンタルパンダをしています。

国名とレンタルしている頭数だけ紹介しますね。

アメリカ(9頭)、ロシア(2頭)、カナダ(4頭)、メキシコ(2頭)、フィンランド(2頭)、スコットランド(2頭)、フランス(3頭)、オーストリア(2頭)、スペイン(3頭)、オーストラリア(2頭)、ベルギー(3頭)、ドイツ(2頭)、オランダ(2頭)、デンマーク(2頭)、韓国(2頭)、台湾(3頭)、香港(3頭)、マカオ(4頭)、タイ(2頭)、マレーシア(3頭)、シンガポール(2頭)、インドネシア(2頭)

こちらも2019年6月時点の情報ですが、多少の相違はあるかもしれないので、参考くらいにしといてください。

レンタルパンダビジネスはぼったくりじゃね?

ぼったくりは言い過ぎにしても、レンタルパンダビジネスの正当性は失われていると考えられています。

レッドリストに分類されたことでワシントン条約により売買や譲渡といった取引ができなくなったことは書きました。

そこで中国は「パンダの共同研究費及び生息地保護のための資金」という名目のレンタルパンダビジネスを始めたわけです。

しかし2016年にWWF(世界自然保護基金)が、公式見解で「パンダの数が増えてきたので、もう外国に『パンダの共同研究費及び生息地保護のための資金』とかいって高額な料金で貸し出さなくてもいいんじゃないかなぁ」と発表しました。

要するに「パンダの共同研究費」なら無料で貸し出してもいいだろうし、「生息地保護のための資金」というならもう少し値下げしてもいいんじゃないのということです。

実際に中国国内にいるパンダは2千頭近くまで増えているので、ジャワサイ(50頭以下)やアムールヒョウ(50頭以下)やアモイトラ(80頭以下)などに比べると緊急性は低いので、パンダだけを特別扱いする正当な理由が見つかりませんよね。

レンタルしたパンダが死んだら?

レンタルしたパンダが死んだら、約5000万円の賠償金を支払わなければいけません

パンダが死んだら、東京都(借りたほう)が、過失や故意ではなく「自然死」でしたと証明しないといけません。

証明できなかった場合、1年分のレンタル料に相当する金額を中国(貸したほう)に支払わなければならないのです。

なんだかモヤモヤする話ですが、そういう一見不利なような協定を結んでも、パンダをレンタルしたほうがおいしいことがあるんでしょうね。

パンダの経済効果はどれくらい?

パンダの経済効果は年間250億円(推定)といわれています。

シャンシャンが生まれた2017年には日本で久しぶりにパンダフィーバーが起こり、そのとき「パンダの経済効果は267億円」といわれました。

上野動物園の周囲にある台東区・上野の商業圏まで広げると、年間400億円の経済効果があるという試算もあります。

さすがにシャンシャンが生まれた2017年ほどではないとしても、パンダファンは毎日上野動物園にやって来てはパンダのぬいぐるみを買い、パンダをモチーフにしたお菓子を食べ、パンダ関連グッズをお土産に買って帰ります。

それを聞くと年間約1億円のレンタル料もそれほど高くないかなと思えてきますね。

パンダを貸した当の中国人も「日本人は商売がうまい」と感心するくらいですから。

パンダのおかげで経済的に潤っている人がけっこういるようなので、シャンシャンを中国に返したくないと思っている人は多いでしょうね。

まとめ:なぜシャンシャンを中国に返還するの?パンダのレンタル料の理由は?

今回は、パンダの返還とレンタルについて気になることをまとめてみました。

●東京都と中国は「子供は生後2年で中国に返還する」という協定を結んでいる

●パンダは生後2年で繁殖が可能になる

●東京都と中国は「日本で生まれたパンダも返す」という協定を結んでいる

●パンダのレンタル料金は1頭1年間で約5000万円

●中国によるパンダ外交はなかなかうまくいっている

●中国のワシントン条約加盟によりパンダの取引が制限されるようになった

●日本は現在10頭のパンダをレンタルしている(2019年6月時点)

●レンタルパンダビジネスの正当性は減少している

●レンタルパンダが死んだら約5000万円の賠償金

●パンダの経済効果は年間250~400億円(推定)

以上、「なぜシャンシャンを中国に返還するの?パンダのレンタル料の理由は?」でした。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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