公園で会った親子に感じの悪い障害者だなと思われてしまった話

公園日常

ごきげんよう、まさきちです。

家の近所に、車椅子で行ける公園があります。

見晴らしの良い、きれいに整備された公園です。

公園内に1周1kmほどの歩道があります。

2周くらい走ると良い運動になるので、時間を見つけて行っています。

「走る」といってもしょせん頚損なので、大人の早歩き程度ですが。

公園全体で1mほどの高低差があるので、歩道は平坦だったり、坂になっている場所があります。

坂はほとんどがゆるやかな傾斜なんですが、3箇所ほど急な坂道があります。

「急な坂道」といっても車椅子的に急なだけで、一般的には大した傾斜ではない、ちょっとした坂道です。

今回は、その「急な坂道」のうちの一つで起きた出来事の話です。

車椅子に興味津々の男の子

その日、僕が公園に着いてすぐに、5歳くらいの男の子と会いました。

補助輪付きの自転車に乗っている、賢そうな顔つきをした男の子です。

その公園は市民の憩いの場となっていて、小さな子供を遊ばせているお母さんや、犬の散歩をしている愛犬家や、ウォーキングしているおばさんや、絵を描いているおじさんや、ダンスの練習をしている女子高生や、トランペットの練習をしているお兄さんや、ベンチで勉強するふりしてイチャイチャしている高校生カップルなどでいつもにぎわっていました。

その男の子も親に連れられて公園へ来たのでしょう。

公園内の歩道なら、小さい子供が安心して自転車で遊ぶことができますからね。

僕が「こんにちは」とあいさつすると、男の子も「こんにちは!」と元気にあいさつを返してくれました。

少し離れた場所で、お母さんらしき女性達が集まっておしゃべりしています。

僕が走る前に軽く準備運動をしていると、さっきの男の子が自転車に乗って近づいてきました。

少し離れた場所で、僕の車椅子を興味深そうに見ていました。

男の子は何か言いたそうにしていましたが、お母さんから呼ばれて僕から離れていきました。

二周目を走行中に事件が

僕は公園の管理棟らしき建物の前の歩道を出発地点にして、走り始めました。

体調と気分と天気が良いときは4周くらいしますが、いつもは2周だけ走っています。

同じコースを何周もすると片方の腕に負担がかかるし飽きるので、一周したら出発地点から逆回りするようにしています。

その日も一周した後、逆回りの二周目を走っていました。

事件の起きた「急な坂道」は、駐車場とほぼ反対側の位置にあります。

公園

その坂道に入る前の歩道脇に置いてあるベンチに、さっきの男の子とお母さんが座っていました。

男の子は「あっ」みたいな顔をして僕を指差した後、お母さんを見てニコッとしました。

お母さんが僕の方を見たので会釈すると、男の子が僕に話しかけてきました。

「何で変な椅子に乗っとると?」

「変な椅子」とは斬新な表現ですが、さっきはこれを言いたかったんでしょうね。

僕はバリアフリーに関する講演を小・中学校で主にしていましたが、質疑応答のとき、実に子供らしい素朴で直球の質問をされるときがありました。

そういうときは僕は何もごまかすことなく、子供にもわかる言葉で、できるだけ丁寧に答えるようにしていました。

思わずやらかしてしまう

しかし、そのときは「急な坂道」に挑む前で、助走をつけてなるべく楽に登りたいと思う気持ちがあったので、ちょっと速度を落としただけで答えました。

「これは車椅子っていうとばい。おじさんは足の動かんけん、これに乗っとるんよ」

答え終えた時点で、「急な坂道」はもう目の前にきています。

「なんで足の動かんと?」

男の子は僕の都合など知る由(よし)もないので、新たに浮かんだ疑問を遠慮なく聞いてきました。

僕は「交通事故でケガしたんよ」と普通に答えたつもりでした。

しかし、「急な坂」を登り始めていて前傾しながらだったので腹圧がかかり、思った以上の大声になりました。

しかも早口だったので、「うるさいな、このガキは!」とでも言わんばかりの、強い口調の「交通事故でケガしたんよ!」になってしまいました。

もし誰かがこの状況を動画に撮っていたら、「【驚愕】男の子が車椅子のおっさんに障害のことを質問した結果www」というタイトルでSNSにアップされて、炎上していたかも知れません。

実際に、お母さんが焦った様子で、「そがんこと聞いたらだめよ」と男の子をちょっときつめに叱っていましたからね。

「覆水盆に返らず」を痛感

上り坂の途中で車椅子を止められない僕は、男の子を叱っているお母さんの声を背中で聞きながら、「違う!違うんです、お母さん!」と心の中で叫んでいました。

「男の子が質問したことは何も悪くないんです!」

「そがんこと聞いてもまったくかまいません!」

「ただ質問したタイミングが悪かっただけなんです!」

「いや僕が車椅子を止めて男の子にちゃんと答えれば良かったんですよね!」

「むしろ準備運動しているあのときに聞いてくれたら良かったのに・・・」

「と言うか強い口調になったのは腹圧のせいなんです!」

などと、心の中で謎の言い訳をしながら、坂道を登りきりました。

そのあとも「さっきのは違うんですと言いに行こうかな。でも違う言うても何が違うか説明するのも難しかろ。つぅか戻って説明するのも変やしな。でもこのまんまやと感じ悪い車椅子のおっさんが公園におったとか思われてしまうやん。いやでもやっぱり・・・」などとグルグル考えながら走っていたら、いつの間にか出発地点に着いていました。

いつもは走り終えたらすぐに帰るのですが、さっきの親子がどうにも気になって、公園の駐車場で何となくグズグズしていました。

しかし「でもやっぱりどがんもしわえんしな・・・」と思いながら、モヤモヤした気持ちで帰りました。

その後も公園であの親子と会うことはありません。

悪気がなかったとはいえ、男の子とお母さんには不快な思いをさせてしまったなと、件(くだん)の坂を通るときに思い出すことがあります。

以上、「公園で会った親子に感じの悪い障害者だなと思われてしまった話」でした。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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