女の人に「くさい」と絶対に言ってはいけないとかたく決心した話

オリモノ日常

ごきげんよう、まさきちです。

高校のときに起きた小さな騒動です。

同じ趣味の二人がケンカを始める

クラスにパンクロック好きのSくんとYさんがいました。

二人は趣味が同じということで、いつもパンクロックについて楽しそうに語り合っていました。

そして二人はやたらとイギリス国旗グッズを持っていて、お互いに自慢し合っていました。

聞けば、パンクロックの発祥がイギリスだからということでした。

当時は「なるほど、発祥だからか」と納得していましたが、よく考えてみれば、なんでパンクロックが好きだとイギリス国旗グッズなんでしょうか。

演歌好きが日本国旗グッズを集めないし、Kポップ好きも韓国国旗グッズを集めないのに。

それはともかく、そんな二人がある日、教室でケンカを始めました。

そのとき僕はクラスの友人とアニメかガンプラの話をしていたと思います。

当時人気だったビーバップハイスクール

何やら大声が聞こえてきたなと思って振り向いたら、すごく怒った表情のSくんと何やら叫んでいるYさんの後ろ姿が見えました。

二人のケンカの原因はわかりません。

昼休みだったか放課後だったか、いつの出来事かも覚えていません。

しかしSくんが放ったひどい言葉で、Yさんが泣き崩れたことははっきりと覚えています。

Yさんは明るくておしゃれで、いつも派手めな子たちと一緒にいるヤンキー系の女の子でした。

Sくんは頭が良いわけでもスポーツができるわけでもないのに、なぜか荒れていた中学出身というだけでふんぞり返っていたヤンキー系の男の子でした。

そしてSくんは『週刊ヤングマガジン』で連載していた『ビーバップハイスクール』という漫画が好きでした。

『ビーバップハイスクール』は当時すごく人気があり、僕もクラス内で回覧板のように回ってくるヤンマガで毎週楽しみに読んでいました。

その『ビーバップハイスクール』で、主役の男子高生がアイドル的存在の女子高生に「オリモノくさい」とからかう場面がありました。

ヤンキーが主役の漫画なので、内容が低俗なのは仕方ありません。

からかわれた女子高生は赤面しながら怒って、男子高生の前から立ち去っていったと思います(うろ覚えでごめんなさい)。

わいはオリモノくさかっさ!

『ビーバップハイスクール』のその場面をSくんは思い出したのでしょうか。

Yさんに強く言い返されて何も反論ができなかったからかも知れません。

いきなりSくんは「わいはオリモノくさかっさ!(お前はオリモノくさいんだよ!)」と大きな声で言い放ちました。

Yさんの表情は見えませんでしたが、その下品な罵声に、Yさんは大きな衝撃を受けたようでした。

Sくんはダメージを与えられたと感じたんでしょうね。

顔を歪(ゆが)ませて笑いながら、Yさんを叩きのめすように、同じ意味の言葉を何度か繰り返しました。

すると突然、Yさんは顔を両手で覆って床に座り込んだと思うと、絶叫ともいえるほどの大声で泣き始めました。

僕はいつも元気で勝気なYさんが泣き崩れている姿に驚きました。

教室の大勢が見ているなかで「オリモノくさい」と誹謗中傷されれば、どんな気丈な女の子でも羞恥と屈辱で泣き崩れてしまうのも無理がありません。

Yさんと仲の良い女子生徒が、泣きじゃくるYさんを抱きかかえて教室から連れ出しました。

別の女子生徒がSくんを強く非難すると、「わいたちは関係なかやろが!」と叫んで、ふてぶてしい態度でSくんも教室を出ていきました。

静まり返った教室で、僕が「(ケンカの原因は)なんやったと?」と近くにいた女子生徒に聞きましたが、誰も詳しいことはわかりませんでした。

お好み焼き屋でかたく決心する

数日後の放課後、行きつけのお好み焼き屋のT子さんに先日の騒動を話しました。

T子さんは当時30歳くらいの女性で、チェーン店のお好み焼き屋の店長さんでした。

僕たちのくだらない話や他愛のない悩みを聞いて、一緒に笑ったりちゃんとしたことを教えてくれるお姉さん的存在でもありました。

高校卒業後もずっと付き合いがあり、今では年賀状のやり取りだけですが、以前はみんなで飲みに行ったりカラオケに行ったりしました。

僕の結婚式に友人として出席してもらったり、T子さんの息子の就職の相談に乗ったこともあります。

T子さんは僕の話を一通り聞いたあと、普段とは違う真剣な表情で言いました。

「女の人に『くさい』とか絶対言うたらいけんよ? 男の人が思うよりずっと女の人ば傷つけるけんね」

Yさんの号泣している姿を目の当たりにしていたので、T子さんの言うことはよくわかりました。

僕は素直にうなずいてかたく決心しました。

パンクロックの話題は二度となく

ちょっと前に読んだ漫画で、姉を「くさい」と言った幼い弟に母親が「女の子にくさいと言ってはダメ!」と叱る場面があって、そのときもT子さんの言葉を思い出しました。

その後、Sくんはクラスの女子から総スカンを食っていましたが、もともと人気がないヤンキー系男子だったので、本人もそのことを特に気にしている様子はありませんでした。

YさんもすぐにいつものYさんに戻っていたので安心しました。

しかしその後、SくんとYさんがパンクロックの話題で盛り上がることは二度とありませんでした。

以上、「女の人に「くさい」と絶対に言ってはいけないとかたく決心した話」でした。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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